「化学物質過敏症」とは?
「化学物質過敏症(CS、MCS)」は、1950年代にアメリカ人医師によって提唱され、2009年に厚生労働省の病名リストに登録された病気です。
一度にたくさんの化学物質にさらされたり、長い間少しずつ吸収したりしたことで、その人の許容量を超えた時に発症します。
花粉症を発症する仕組みに似ています。
一度発症すると、さまざまな化学物質に対して身体が反応するようになり、目やのどの痛み、咳、頭痛、めまい、吐き気、腹痛、皮膚疾患などの症状があらわれるようになります。
まだきちんとした治療方法はありません。
「シックハウス症候群」も、化学物質過敏症に含まれます。
病名に「過敏」とついているので、一部の敏感な体質の人の病気のようにも感じますが、
10年ほど前に香りの強い柔軟剤ダウニーがヒットしたことで「香りブーム」が起こって以来、急増している病気です。
近畿大学が2012年に行った調査によると、化学物質に強い反応を示した人が4.4%、中程度の反応を示した人が7.7%、国内人口に換算すると、合わせて1,210万人に相当します。
柔軟剤や合成洗剤、スプレー、芳香剤などに含まれている “香り” のほとんどは人工的に作られた香料です。
人工香料は、石油由来の化学物質です。
また、消臭スプレーや制汗剤、抗菌剤、消毒液なども化学物質です。
そうした日用品をみんなが手軽に使うようになったことで、
今までにないほど化学物質が身の回りにあふれ、体内に吸収する機会が増えているのです。
「化学物質過敏症」は、ある日突然発症します。いつ、誰が発症してもおかしくない病気なのです。
「『香害』大人だけでなく子どもも発症 学校生活に支障も」RKB毎日放送(10分のニュース動画)
https://youtu.be/Z8-bH7j8etk
「『強い香りに敏感な人』の病気の正体 化学物質に反応、仕事続けられなくなる場合も」東洋経済
https://toyokeizai.net/articles/amp/363956?display=b
「柔軟剤や洗剤で体に異変 知られざる『香害』」の実態」産経新聞
https://www.sankei.com/article/20211122-VTJ4OVQZ5ZIWZIPIE6DE7JCXM4/