はじめよう!無香料生活@埼玉の会

「無香料」の日用品を選んで、身体と環境にやさしい生活を始めませんか?

人工香料が川や海、魚介類を汚染している!?

10年ほど前に起こった “香りブーム”
それ以来、柔軟剤や合成洗剤、シャンプーなど、香りの強い日用品が身の回りにあふれるようになりました。
日本香料業界「香料統計」によると、平成21年からの10年間で香料の生産量は1.8倍に増加しています。
それらの香料の9割は、石油から作られた人工香料で、
アレルギーやぜんそくの原因物質や、環境ホルモンといって生物が本来持つホルモン作用をかく乱する物質も見つかっています⚠️


洗濯洗剤や柔軟剤、台所洗剤、シャンプーなどなど……
多くの製品に人工香料が使われていますが、水に流された後、それらはどうなるのでしょうか?
まず下水管を通って下水処理施設に流れつきますが、全てをきれいにすることはできません。
人工香料の60%は下水処理施設を通過して、河川や海に流れ出ています。
陸に近い場所だけでなく相模湾などの深海でも見つかっていて、魚やイルカの体内からも人工香料が検出されています。

特に最近問題になっているのが、香りや消臭・抗菌効果が長続きするタイプの柔軟剤や液体洗濯洗剤です。
これらは、人工香料などの成分をプラスチック樹脂製のマイクロカプセルに封じ込めていて、カプセルが時間差で弾けることで効果が長続きします。
EUでは、こうしたマイクロカプセルも含めたプラスチックを日用品に入れることを禁止する方針です。
東京大学の調査では、シジミから柔軟剤のマイクロカプセルや人工香料が見つかっています。


また、近年、安価で環境に良いとして、下水処理施設から発生した汚泥を利用した農業用肥料が使われていますが、
下水汚泥には、人工香料が高濃度で蓄積しているという研究報告もあります。
環境に流れ出た人工香料が、海や河川を汚染し、魚介類に悪影響を与え、さらに農地や野菜なども汚染しようとしているのです。


化学物質は、私たちの生活を便利にしました。
けれど、必要以上に使うことは環境に悪影響なだけでなく、私たち人間にかえってきます。
衣類の洗濯や食器を洗うのに、香料は必要でしょうか。
きれいにスッキリ洗えれば十分なはずです。さらにそこに、柔軟剤を染み込ませる必要もありません。

まず無香料にすることで、シンプルで、人にも環境にもやさしい暮らしを始めませんか?🐠🐬🐚


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「多環ムスク化合物の下水処理場における動態と環境負荷量の推定」熊本大学 2014年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/daikankyo/5/1/5_14G0101/_article/-char/ja/

「におい嗅ぎGCGC-O)を用いた相模湾および小笠原海溝の深海堆積物コアを対象とした人為起源におい物質の検索」佐賀大学 2020年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jec/30/0/30_94/_article/-char/ja

「合成香料を内包したマイクロカプセルが水界生態系に与える影響の検証」東京大学 2020年
https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-17K20041/17K20041seika/

香害パンフレット(NPO法人 ダイオキシン環境ホルモン対策国民会議
https://kokumin-kaigi.org/?p=3623