柔軟剤の “良い香り” でなぜ体調不良に? ~「香害」が起こる理由~
「香害(こうがい)」とは、柔軟剤や合成洗剤、芳香剤、スプレーなどの日用品から発生する、人工的な香りや消臭・抗菌成分などで起こる健康被害のことです。
頭痛、吐き気、目やのどの痛みなど、さまざまな症状があらわれます。
なぜ「良い香り」で、体調が悪くなるのでしょうか?
香りつき商品に含まれている人工香料の90%以上は、石油から作られた化学物質です。
これらの香料について、国際香粧品香料協会(IFRA)という民間団体が独自の基準を決めていますが、
2015年に公表された3000種類の香料の内、約半分が国連のGHS(化学品の表示に関するシステム)で毒性や危険性が認められているものでした。
香料が、ぜんそくやアトピーの原因になっているという指摘もあります。
日本の香料業界もIFRAの基準に従っているものの、香料を吸い込んだ際の危険性には着目していません。
また、柔軟剤、抗菌・除菌剤、消臭剤、芳香剤などは「家庭用品品質表示法」の対象になっていないため、成分表示も安全性も業界の自主性に任されています。
つまり、国で規制したり、安全性を確認したりはしていないのです。
さらに、健康被害を大きくしている原因は、人工香料などを「マイクロカプセル」に封じ込めたことです。
大手メーカーの香りつき柔軟剤や液体合成洗剤のほとんどに、このマイクロカプセルが配合されています。
マイクロカプセルは、目に見えない小さなプラスチック樹脂製のカプセルで、そのサイズはPM2.5と同じくらいです。
このカプセルが汗や体温、摩擦などで破れると、中から香料や消臭・抗菌成分が出てくる仕組みです。
テレビCMで「香りがつづく」「香り弾ける」「ずーっと消臭」「抗菌ブロック」というのは、マイクロカプセルが少しずつ弾けることによるものです。
カプセルが弾けた時、香料などの化学物質と一緒に、マイクロプラスチックも吸い込んでいるのです。
また、香料をカプセル化したことにより、本来は時間とともに消えていくはずの “香り” がいつまでも空間に留まり、また、何mも遠くまで飛んでいくようになりました。
衣類に付着しやすいよう粘着性もあるカプセルは、柔軟剤使用者の服から飛び散ると、他の物にくっついて匂いを放ち続けます。
自分が柔軟剤を使っていなくても、他の人が使う柔軟剤や近所の洗濯物の “香り” で具合が悪くなってしまうのです。
身体の小さな子どもやペットへの影響はさらに心配です。
特に、猫は体内で香料を分解できません。
「無香料」の日用品を選ぶことは、自分や周囲の人たちの健康を守ることにつながるのです。

「柔軟剤のにおいに関するトラブル急増、健康被害も問題に」ポストセブン
https://www.news-postseven.com/archives/20190415_1351098.html?DETAIL
「香りブームの裏で、懸念される『香害』と『マイクロカプセル』による健康被害」ハーバービジネス オンライン
https://hbol.jp/197196/
「家庭用洗剤でぜんそくが増加!? カナダの追跡調査で判明」ハーバービジネス オンライン
https://hbol.jp/214267/
「【猫の香害】においによる健康被害の症状と対策を獣医師が解説!」まりも動物病院
https://marimo-vet.com/blog/kougai/
「『香害』 見えてきた環境問題 ~マイクロプラスチックの影響は」RKB毎日放送(10分のニュース動画)
https://youtu.be/l10CWhy3dTg
「STOP!香害」パンフレット(NPO法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)
https://kokumin-kaigi.org/?p=3623